Mention738957

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so:text 戸塚氏とそのスタッフのコーチたちが、あくまで善意で行っていた情緒障害者の治療の中で起こした死亡事故の責任を問われる、という裁判の中で、かくも長期に亘って拘禁を強いられている訳は、つまり、彼が、起訴事件の有罪率九九・八%という日本の現行の裁判の流れに抵抗し、もっと開かれた、公正な、つまり新刑事訴訟法の精神にのっとった民主的な裁判を受ける権利を主張しているからに他ならない。(中略)検察が無理をした理由は、マスコミ、特に大新聞がこぞってこの問題をヒステリックに書きたて、今までの半信半疑の姿勢から一転して、戸塚ヨットスクールを、入校を強制させられた情緒障害児たちを趣味的にいびる鬼コーチたちによって監視された、アウシュヴィッツのような施設として大衆に印象づけたせいに他ならない。(中略)ノーべル賞学者の動物行動学の始祖コンラート・ローレンツは、動物の子供たちに対するしつけの習慣や、動物の群れの中でも他よりたくましく賢く強く成長していく例を観察しながら、人間の健全な成長に関して、極めて示唆に富んだ意見をのべている。「真の苦しみに立向い、それを克服しなければならなくなった時はじめて、そしてさらに、それをなしとげた時一層、人間は、人生は生きる価値のあるものだということを発見する。その発見によって、人生ははじめて、彼自身のものとなる」そして、「現代に数多い、人間の無気力化の徴候の克服は、その人間を、非人間的環境がもたらす苦しみの中に陥らせることだ」とも。これは戸塚ヨットスクールが行っていた訓練が目指していたものと完全に一致している。 (ja)
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